心の歌 千昌夫 北国の春

千昌夫 北国の春

しらかば あおぞら みなみ風・・・

 

と来れば、誰もが一度は聞いたことがあるのではないかと思います。 千昌夫の「北国の春」です。 とても有名な曲ですよね。

 

この曲は、1977年4月5日に発売されてから、長く人々の間で親しまれました。 この「北国の春」の大ヒットは、「星影のワルツ」に続く 千昌夫の二作目のミリオンセラーとなり、1979年に、第21回日本レコード大賞 ロングセラー賞 を受賞しています。

 

 

 

 

白樺 青空 南風

 

こぶし咲く あの丘

 

北国の ああ北国の春

 

季節が都会では わからないだろと

 

届いたおふくろの 小さな包み

 

あの故郷へ 帰ろかな 帰ろかな・・・

 

 

 

この歌を聞くと、おそらく 誰の心にも ふるさとの情景が 色鮮やかに蘇ってくることでしょう。 日本人が持っている 故郷に対するイメージが メロディーと共に、やさしい広がりを見せてくれます。

 

故郷を遠く離れた青年、都会という大きな街とおふくろの小さな包み・・・。 映像として脳裏に浮かび上がり、心の中にすっと入ってきます。 帰ろかな・・・思わず つぶやいてしまいそうです。

 

発売からずいぶんたった今聞いても、浮び上がる情景は鮮やかです。

 

自分の故郷が北国ではなくても、白樺や青空や南風といったものを実際に感じたことがなくても、それが自分の故郷となぜか重なってくる。 この歌には、そんな不思議な魅力があります。

 

 

千昌夫の出身は岩手県です。

 

北国を歌っているので、岩手のイメージなのかなと思ってしまうところですが、そうではないようです。

 

実際には、作詞家のいではくの故郷である長野のイメージが強いのだそうです。 そこに、作曲家の遠藤実が加わって 曲があっという間にできたのだとか。 ちなみに、遠藤実の生まれは東京で、新潟に一時期、疎開していた経験があるそうです。

 

遠藤実は、極貧の生活から歌手を志し、ドザまわりの楽団や流しの歌手などを経て、作曲家の道に入りました。 島倉千代子「からたち日記」、山本リンダ「こまっちゃうナ」、千昌夫「星影のワルツ」、渡哲也「くちなしの花」、渥美二郎「夢追い酒」といったベスト・セラーを作っています。

 

みなそれぞれに、貧しい少年時代を過ごしていたのか いろんな想いが重なって、この三人の故郷のイメージがうまく合わさって、歌にのせられている。 だから、聴く人の心をつかんで離さないのかもしれません。

 

 

いい歌は国境を超えていきます。

 

この「北国の春」は中国でも 大ヒットしました。 中国でも、「北国之春」のタイトルで、故郷を遠く離れた青年の歌として歌われています。

 

 

 

 

他にもいろんな国で、歌われています。 こちらは、チベット。

 

 

 

言葉や場所が違っても、どことなく、伝わってくるものがあります。

 

 

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1977年(昭和52年)の歌手と代表曲

歌手 タイトル、作詞、作曲

千昌夫

北国の春
作詞:いではく 作曲:遠藤実

沢田研二

勝手にしやがれ
作詞:阿久悠 作曲:大野克夫

ピンク・レディー

渚のシンドバッド
作詞:阿久悠 作曲:都倉俊一

山口百恵

イミテイション・ゴールド
作詞:阿木燿子 作曲:宇崎竜童

ピンク・レディー

UFO
作詞:阿久悠 作曲:都倉俊一

 

 

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